涙が滝のように流れます。
あらすじ
脚本家の環は、譲り受けた一軒家を格安で友人たちに貸すことにする。
超売れっ子作家の千代田公輝や、映像、絵画、漫画家、小説家の売れない卵たちが同居し、日常生活と送ることとなる。
夢や挫折、妥協など経験しながら仲良く過ごしているところへ、公輝のファンを名乗る女性が新たな住人として同居し始める。
それにより、住民たちに様々な感情の起伏、変化が起こりはじめる。
感想
物語の構成上、様々な伏線がありますので、細かな内容は避けさせていただきます。
まず、登場人物のキャラが良く立っているため、日常生活が淡々と綴られるエピソードを楽しく読むことができます。
中途で挟まれる”コウキの天使ちゃん”の投書がまたいいですね。
下巻の中程までは普通の住人達の日常生活を楽しむ感じなのですが、最終章である公輝の回想は、それまでの物語があらゆる箇所で繋がり、物凄い感動を与えてくれます。
今まで素顔をみせなかった公輝が、何を考え、何に縋って生きてきたのかが描かれるにつれ、涙がとまりません。
ラストもとても良かったです。
お薦めの一冊です。