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『火怨』 高橋克彦 (講談社文庫 上下巻) 

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血が煮え立ち、沸騰します。

あらすじ

平安時代、東北に住む人々は蝦夷と蔑視され人としての扱いを受けられなかったが、朝廷から遠方にあったこともあり、多額の献金を行いながら比較的自由な生活を送っていた。

しかし、蝦夷の地の金に目を付けた朝廷は軍を送り、蝦夷の地を横取りしようとする。

蝦夷側は若きリーダーであるアテルイが迎え撃ち、戦いは長期化。

ついに朝廷は名将と名高き坂上田村茂呂をかの地に送り込んでくる。

感想

長い間踏みつけにされ、不満や鬱憤をため込んでいた民たちが、若きリーダーのもと、立ち上がり、立ち向かっていく姿は感動と興奮で血が沸き立ちます。

軍師の戦略により、圧倒的な物量を誇る朝廷軍と互角以上の戦いを展開していくストーリー的な面白さも抜群。

母礼や飛良手、伊佐西古等、仲間の描写も魅力的で、最後に民の思いをも全てかけた戦、その後のシーンには、涙がこぼれます。

読書でこれほど泣いたことはありません。

私が今まで読んだ小説の中では5本の指に入る傑作で、無類の面白さです。

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